「まねき寿司」

自給自足が信条の「歩荷の暮らし」では、ほとんど外食することはありません。
それでも卵を使っていただいているお店のことは、やはり何かと気になるもので、一度はお邪魔したいと思いながらも、年中無休という厳しい現実の中、叶わぬ思いとなる場合が多く・・・。
そんな折、大好物の「鱧(はも)」が入ったという何とも魅力的なお知らせを見つけ、実に久方ぶりとなりますが、夜の名古屋へと重い腰を上げることになりました。
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西区円頓寺、四間道(しけみち)沿いにある創業明治六年、四代目「まねき寿司」さん。
店内にネタケースなるものはなく、お寿司は大将のおまかせ。一つ一つの握りに丁寧かつ繊細な仕事を施した、名古屋では珍しい本格的な江戸前握りのお店です。
我が家のような呑み助には、全国から厳選されたと思しき個性的なお酒と品揃えも豊富な旬の肴がお出迎えしてくれます。
○握りおまかせコース 3750円より
○酒肴コース(〆のお寿司付きもあり) 3750円より
○その日のおすすめ旬の肴 (女将さんの手書き「お品書き」が素敵)
○焼酎 魔王、伊佐美、兼八、中々などのプレミア焼酎各種
○日本酒  亀齢(広島)、美丈夫(高知)、十四代(山形)などの純米酒、純米吟醸酒
  アルコール添加した酒はおかないというこだわりが流石です。
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この夜、食したご馳走色々。
鱧の湯引き、じゅんさい、トウモロコシや夏野菜の天ぷら、なめろう、穴子の煮凍り、しゃこ、
ひらめ薄造り、のどぐろの塩焼き等々旬の肴。天然若鮎の姿寿司、絶品豆アジ、長崎の天然
本マグロを始めとする握り各種。すべてが旨い、見事です。
大将の食材を選ぶ目、センスの良さも大したものですが、極めつけは、お水。
シャリを炊くお水に、養老の湧水を使われているとのこと。わざわざ、1時間以上もかけて
岐阜県の養老山麓までお水を汲みに行かれるそうで、そのこだわり半端なく、感動。
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忘れてしまうところでしたが、こちらは「卵黄の味噌漬」 。もちろん、我が家の自然卵「歩荷」。
濃厚ながらまろやかで深い。粋な「肴」に生まれ変わり、まさに卵冥利に尽きるというもの。
「まねき寿司」さんに嫁ぐ我が家の卵は、実に幸せもの。良きご縁に、感謝。
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お店のカウンター片隅に、我が家の書棚と同じ一冊。
「しかも出てくる食べ物は、古くからある簡素な家庭料理がほとんどであって、いわゆる《グルメ》の評論家先生が称揚する、気取った料亭の高級料理ではない。むろん、今では食材が手にはいりにくく、結果的にぜいたくな料理になったものも少なくないが、それは論外である。むしろ、手間がかかるために作られなくなったケースの方が多く、これは明らかに現代人の怠慢だろう。」
(本書あとがき「ほんとうに旨いもの」 逢坂 剛 より抜粋)

” 手間を惜しまぬ料理人に恥じぬよう、手間を惜しまぬ農家でありたい”と心より・・・。
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● 「まねき寿司」
名古屋市西区那古野1丁目36-54 
TEL 052-551-3069
17:30~23:00 (最終入店21:30)
定休日 日曜/祝日

■ お願い
ご夫婦だけでの小さなお店です。
ご迷惑をお掛けしないよう、予約の問い合わせをしてから伺ってくださいね。

基本的に写真は禁止。今回は、特別にお許しをいただいて撮影したことを付け加えます。
by bocca-farm | 2012-06-27 23:46 | 地産地消