2009年 10月 02日
「食堂かたつむり」
小川 糸著 「食堂かたつむり」
失恋がきっかけで声が出なくなった倫子は、ふるさとに戻り実家の離れで、一日一組限定のメニューのない小さな食堂を始めるのですが・・・。
倫子をとりまく様々なエピソードを通して「食」の意味や大切さ、そして「食べることは生きること」であり、「命をいただくこと」なのだという現実を今一度考えさせられる物語です。
この物語には「エルメス」という名の一匹の豚が登場します。「エルメス」は、倫子とその母にとって家族同様に大切な存在なのですが、あることがきっかけで、この「エルメス」を料理して食べることになるのです。倫子は、血の一滴までも残さず食べてやることが「エルメス」にとっての幸せであり、そうすることで形を変えた「エルメス」は、自分たちの中でこれからも生き続けるに違いないと考えます。
さて、我が家の場合はどうだろうか。はたして「メイ」を食べることができるであろうか。(南方へ行けばヤギも立派な肉用家畜です。)メイの顔をしげしげと見つめ、ふとそんなことを考えてしまいました。もし仮に私たちがメイを食べてしまったら、メイは私たちの中で幸せに生き続けるどころか怒り心頭、暴れまくるに違いなく、「あり得ない。」と心の中でつぶやいてしまいました。
偶然知ったのですが、「食堂かたつむり」は柴咲コウさん主演で映画化され、来年2月に公開予定ということです。
by bocca-farm
| 2009-10-02 17:52
| やぎ