「食堂かたつむり」

先日メイを見ていたら、昨年の春に佐賀三瀬村の友人から教えていただいた一冊の本のことを思い出しました。

「食堂かたつむり」_a0120513_16343979.jpg小川 糸著 「食堂かたつむり」
失恋がきっかけで声が出なくなった倫子は、ふるさとに戻り実家の離れで、一日一組限定のメニューのない小さな食堂を始めるのですが・・・。

倫子をとりまく様々なエピソードを通して「食」の意味や大切さ、そして「食べることは生きること」であり、「命をいただくこと」なのだという現実を今一度考えさせられる物語です。




この物語には「エルメス」という名の一匹の豚が登場します。「エルメス」は、倫子とその母にとって家族同様に大切な存在なのですが、あることがきっかけで、この「エルメス」を料理して食べることになるのです。倫子は、血の一滴までも残さず食べてやることが「エルメス」にとっての幸せであり、そうすることで形を変えた「エルメス」は、自分たちの中でこれからも生き続けるに違いないと考えます。
「食堂かたつむり」_a0120513_17183161.jpg

さて、我が家の場合はどうだろうか。はたして「メイ」を食べることができるであろうか。(南方へ行けばヤギも立派な肉用家畜です。)メイの顔をしげしげと見つめ、ふとそんなことを考えてしまいました。もし仮に私たちがメイを食べてしまったら、メイは私たちの中で幸せに生き続けるどころか怒り心頭、暴れまくるに違いなく、「あり得ない。」と心の中でつぶやいてしまいました。

偶然知ったのですが、「食堂かたつむり」は柴咲コウさん主演で映画化され、来年2月に公開予定ということです。
by bocca-farm | 2009-10-02 17:52 | やぎ