「卵黄色と食味」

以前、卵の「卵黄色と安全性」は全く関係ないという記事を掲載しましたが、それと同様に「卵黄色と食味」も全く関係ありません。
「卵黄色と安全性 ①」
「卵黄色と安全性 ②」
上記で説明したように卵黄色は飼料に含まれる原材料が有する色素により変化しますので、色の種類や色相および彩度等によって食味に影響を与えることはありません。
卵の食味は卵黄に移行しやすい油脂系の原材料や魚粉等の強烈な風味により影響を与えられることはありますが、飼料添加物による意図的な食味調整を行わない限りにおいては主原料となる原材料、例えばトウモロコシ、米やヌカ、大豆、さらには野菜や草等の緑餌などにより有意な差異が認められるとは考えられません。
「卵黄色と食味」 _a0120513_19022599.jpg
したがって、卵黄色が濃く赤色系が強いからといって味わいが濃厚で旨みが強いわけでもなく、逆に卵黄色が薄くて白っぽいもしくはレモンイエロー系(色が薄い)だからといって風味が淡泊で旨みを感じないわけでもありません。
卵黄色が濃い卵は味も濃く食味に優れていると思うのは単に人の視覚的な錯覚に過ぎないのです。
「卵黄色と食味」 _a0120513_19291443.jpg
そもそも人の味覚というものは舌の味蕾(みらい)にある味細胞が感じ取ったもので、3歳ぐらいの幼児期までにその基本的な味覚機能が形成されるといわれています。
ナチュラルな食生活で育った幼児は素材そのものの味をしっかりと見極め味わうことのできる人として成長し、化学調味料や添加物の多い食事や菓子等をたくさん食べて育ってしまうと食材そのものの本来持っている自然な味わいだけではどうしても物足らなく薄味に感じてしまうのは否定できない事実なのです。
「卵黄色と食味」 _a0120513_19415555.jpg
当農場のお客様のご意見をお聞きした際に、自然卵「歩荷」がとても濃厚な味わいだと感じられる方とあっさりして雑味がないと感じられる方がほぼ半々であるという実に興味深い結論に達したことがこのテーマの何よりも明確な根拠であると考えます。


by bocca-farm | 2017-11-16 20:29